株式会社アイネット 代表取締役会長 池田典義氏 第2回「3つの経営哲学」(全4回)

By admin • 1月 8th, 2010

戦後の日本経済を語る上で、高度経済成長下におけるモータリゼーションの発展が日本経済に与えた影響力はいわずもがなであるが、その動力であるガソリンをはじめとする燃料供給の関連業界も大きな発展を遂げてきた。
今回の次代の会は、そのモータリゼーションの隆盛に沿って急増したガソリンスタンド(GS)の事務管理と運用を担うシステムを開発運用する株式会社アイネット(元株式会社フジコンサルト)を設立し、一代で東証一部上場を成し遂げた同社代表取締役会長の池田 典義氏の軌跡を辿ってみたいと思う。

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株式会社アイネット 代表取締役会長 池田典義氏

第2回「3つの経営哲学」
モービル石油の営業マンだった彼は、あまりにも成績がよく時間があったので、顧客であるGSが今まで以上に儲かる仕組みとして考えたPOSによる業務管理システム。
最終的に同社は、この業界において国内シェア50%超の一大企業へと導いたとは前回述べたとおりだが、その成功を語るうえで彼の経営哲学に触れないわけにはいかない。
この業界で彼が自ら作り上げた経営哲学について語ってもらった。

「私が心がけてきた経営哲学が3つほどあり、これを皆さんに順を追ってお伝えしていきます。まず最初は『特化は汎用につながる』ということです。

私が就職した頃、石油会社でどんな仕事をするか分からなかったくらいですから、業界自体の認知度もまだまだ低く、新しい業界でした。
私はこの石油業界に特化し、GSの声を丹念に拾い集めることに専念しました。そしてそれを徹底的に追及しつぶしてきました。いうなれば業種特化、技術特化です。

たとえばそれまで事務員をたくさん使っていた手間のかかる請求書の作成・発送を当初は事業として代行していたのですが、それが今ではメーリングサービス事業としてクレジットカード会社などの請求書発送代行を行う迄になりました。

また、勘定系やバイトのスケジュール管理、顧客分析など、GSの業務に特化して必要なソフトを都度開発し、改良を重ねていった結果、現在はバラエティーに富んだ充実のソフトウェアラインアップを揃えることができました。
このように業界に特化して蓄積してきたノウハウが、結果として汎用的に他の業界にもつなげていけるきっかけになったのです。」

現在同社が提供しているサービスを同社のオフィシャルサイトで見てみると、大きく「業種別」と「サービス別」に分かれている。
業界別の区分でいえば「本業」である石油卸売業、石油販売業はもちろんのこと、サービス・小売業、金融・保険業、製造業、建設・不動産業など実に11分野、またサービス別では、コンサルティング、企画・システム開発、システム運用・保守・ハウジング、パッケージ販売・SaaS/ASP、出力物加工・発送迄、多岐にわたっており、顧客はサイトから自社のニーズに合わせ、最適なサービスを的確に選ぶことができる。
これだけ多くの業界に対してさまざまなサービスを提供できるのも、彼が唱える「特化は汎用につながる」という経営哲学を実践してきた結果なのであろう。

さらに池田は2つ目の経営哲学をこう語った。

「私の経営哲学の2つ目は『必要は発明の母』ということです。この考え方をもっていたことにより、すべての事象についてイノベーション、Changeを心がけてきました。
例えばGSで行っていたパンチの入力業務から、合理性や正確性の為にPOSシステムを開発しましたし、それまで車で回収していたデータ媒体(カセットテープ)を、人手を介さずに回収する為に伝送端末を開発しました。

またGSの会員カードを利益拡大の為に作成することで、顧客管理をPOSで行う情報化戦略が可能になるなど、全ては必要性があったからこそ発明へと結びついたものが多いのです。」

この経営哲学も、営業マンとしてGSの声を徹底的にヒアリングしていく中で生まれたニーズを正確に読み取り、それを解決する手法を提供していくという同社の事業に深く根ざしているものだといえよう。現場の声を聞くことの重要性が、ここに反映されている。
そこで彼は最後の経営哲学として「顧客志向」を挙げた。この「顧客志向」という言葉は、今まで幾度となく繰り返されてきた言葉でありながら、実践できていない企業が多々あるのも事実である。彼の言葉で語られる「顧客志向」とはどのようなものなのか。

次回は経営哲学の3つめである「顧客志向」について語ってもらいながら、彼の経営哲学を反映したこれからのアイネットの進む方向性を皆さんにお伝えしていきたい。

(敬称略 第3回へ続く)

敬称略 取材・執筆 次代の会 柳澤 史樹

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