ジョルダン株式会社 代表取締役社長 佐藤俊和氏 第3回「ジョルダンのめざすところ」(全4回)

By fumiki.yanagisawa@jidainokai.jp • 4月 9th, 2010

インターネットの技術開発によるサービスの中には、ユーザのライフスタイルを変えるものが数多くある。今回の次代の会 講演ブログは、ビジネスマンのライフスタイルを変えたといわれるソフト「乗換案内」を開発したジョルダン株式会社 代表取締役社長の佐藤俊和氏に、インターネット黎明期からの同社の歩みとこれからについて語ってもらうことにしよう。

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ジョルダン株式会社 代表取締役社長 佐藤俊和氏

 第3回「ジョルダンのめざすところ」

佐藤氏が開発に注力をしていたフェーズから一転、ビジネスに腰を据えて上場を実現し、利益が増えたことによって開発が逆にしやすくなったという。しかしそこにある「最もやりたいことを実現する」という氏の視点はあくまでも開発者のそれであり、その視点を事業展開とのバランスを取りながら歩む氏の淡々とした、しかし確固たる自信を感じさせられるものだった。

「もともと本当に何がやりたいのか、ということを今にして改めて考えてみると、携帯とインターネットでのメディア化を目指して動いてきている、そう感じます。

 あくまでも後付けになりますが本当に何がやりたいのか、という問いについてあまりうまく分析もできなかったので、私は『新しいライフスタイル』を作りたい、皆があっと驚くようなものを作るプロジェクトの一員でありたい、というのが本当のところなのではないかと思います。

 ただよくいわれるように消費者やお客さんのことを考えてつくるという『マーケット・イン』の発想はそれほどなく、あくまでも自分が欲しいものをつくるという『プロダクト・アウト』のスタンスで今までもやってきているのです。自分の性格としてややこしいことが苦手で、その代わり動くと決めたらダラダラするのがいやなのですが、その中でも自分が駅に行ったら電車が行ってしまっているのが一番いやで、それがそもそも乗換案内を作りたいと思ったきっかけです(笑)。

 また、もう一つメディアに興味があることの理由として、人から言われたことをそのまま考えるということではなく、自分の発想や感覚を大事に育てる環境を与えるということが大事だと思うのです。ここに集まっている経営者の方々も、立場が変わることで発想や見方が変わった経験をお持ちかと思うのですが、そのように異なった角度からの発想や見方をするための材料提供をしていくことがメディアの役割であり、新しいライフスタイルを提供することだと思うからです。」

 ここまでは氏が現在に至るまでの経験、そしてその経験から基づいた考えである。ここから氏は同社の「未来」「これから」について語りたいと話の舵をきった。その語りこそが氏が本当にやりたいことであり、私たちも聞きたいところでもある。同社のこれからについて氏が述べたのは「計算機 性能と価格」の仮説であった。

「歴史を紐解きながらその性能と価格の変遷を追ってみました。最初はIBM全盛の時代、1975年、計算機が1秒間にこなす平均命令実行回数が100万回という「MIPS」という単位で、1MIPSの処理能力を持つ計算機が1台1億したような時代でした。

 その後10年経ち、今は亡きDECというメーカーが製造した10MIPS,1000万回の命令実行能力をもつ「ミニコンピューター(1台1000万円)」の時代へと変わります。さらにその後10年を経過した1995年マイクロソフトのウィンドウズ95が販売されたのですが、その性能が100MIPSで当初にくらべ100倍の性能、また値段は1億したものが100万を切るくらいの変化を遂げているわけで、今はさらに性能が10倍アップし、価格は10分の1の10万円、そしてマイクロソフトの全盛から流れはグーグルへとシフトしてきている、と。

 このままの流れでいくと10年後は計算機の性能と全盛を誇る会社は新たに変わってくると思いますが、私は次にくる世界は、全てのコンピュータが集まって無線で繋がっていき、それが集まって1つの大きなコンピュータを形成するような世界になるイメージがあります。IT関連の事業をしている人は、大きな方向性でそこを外さなければ間違いはないのではないか、と思います。

大きな社会の流れは技術の革新と共に進化しているわけですが、我々も創立30周年を記念してイベントかなにかを開催しようか、という議論もありましたが、そんなことよりも新たな第1期としていろんなトライアルに挑戦していきたいと考えています。そんな私たちも会社の規模がかなり大きくなってしまいましたので、そこに小さな会社ならではのスピードを出すことができるように積極的に組織改編をしようと考えているのです。今ここにお集まりの経営者の皆さんにアドバイスさせて頂くとすれば、組織が小さなころのポテンシャルを、組織が大きくなっていった際にどう出せるかが重要だと思います。」

技術革新に向けてどこまでも氏はハングリーである。これからを語る氏の姿は、まさに変わらず開発者のそれであり、30年を経た同社のこれからをさらに新たな第1期ととらえ、挑戦しようとしている挑戦者の姿であった。

最終回は、氏が先日1月アメリカ ラスベガスで開かれた「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」に訪問して感じた大きな技術革新の波に関してのレポートを記させて頂きたいと思う。

ジョルダン株式会社 URL: http://www.jorudan.co.jp/

(最終回に続く)

敬称略 取材・執筆 次代の会 柳澤 史樹

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