株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司氏 第2回「荒波にこぎ出したガイアックス」(全4回)

By fumiki.yanagisawa@jidainokai.jp • 5月 28th, 2010

ウェブサイトの機能として、ブログと並び定着、主流を成しているといっても過言ではないコミュニティ機能。特にウェブ上で人と「繋がる」という体験が、現在人のコミュニケーションにおいて与えた影響の大きさは計り知れない。
今回の次代の会 講演ブログは、ウェブコミュニティ開発大手で、名証セントレックスに上場している株式会社ガイアックス代表執行役社長 上田祐司氏にご登壇頂き、その起業からの軌跡を語って頂いた。

IMG_2297

株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司氏

第2回「荒波にこぎ出したガイアックス」
学生時代の30種類のアルバイトを経て、商売の面白さに気付き、卒業後に起業家輩出機関である㈱ベンチャー・リンクに入社した上田氏は、カプセルホテルで生活しながら連日夜中の3時まで働く生活を送る中、同期で成績がトップを常に争っていた山根さんという女性とガイアックスを起業する。お好み焼き屋での会話から急転直下に始まった起業家の道だった。

「何もない中で仕事を辞めてしまって起業をしたのはいいですが、私と山根と地元の後輩の3人で、商品として売るものもないわけです。しかしとにかくベンチャー・リンクで培った精神でビジネスにトライしました。まずは金を集めなくてはどうしようもない、と。人も採用できず、信用がない為提携会社もいない。これはとにかく一気にやらなければならない、ということを頭に進めました。
ここでは大学時代にサークルの幹事をやった経験が役に立ちました。畳みかけるように皆がハッピーになるプランとトークで押し切っていきました。当時ブログのようなサービスに広告を入れるビジネスを組んでいたのですが、結果的にメンバーは10人、出資者も4~5社、提携も200社くらい集めることに成功しました。

提携先を集めるのにも『A社さんもB社さんもC社さんもD社さんもやる予定ですけど、御社はやらないんですか?』というような感じで営業をかけました。ただ本当に全部が導入をコミットしていたかは微妙ですが(笑)」

氏の話を聞いていると、この「畳みかけトーク」のスピードと間が絶妙で、そのリズムで繰り出される内容がハッピーであれば、なるほど周りが期待をもって乗ってくるのが理解できる。

「私たちも最近出資をするケースがありますが、新しいサービスは正直分からないですよね。そういった場合は内容というよりは、周りの出資者がどうなのか、を見ていたりするのですね。私のときも同じでした。皆がこんなふうにハッピーになるということを説いて、周りを巻き込んでいくのです。出資者の方が正直プレゼンを完全に理解していたかは疑問ですね(笑)。

ベンチャーにいた頃には理論的にいろいろと勉強しましたが、実際には関係ないケースが多いですね。うまくいくならいくんですよ。特に新しいサービスに関してはうまくいく際にはその計算よりもうまくいったりするわけですからね。私たちもそうして頑張ってかなり多額の金額を集めたので、営業トークの中でも『2~3年後に上場します』といってしまいその後『あれ?今年上場なんじゃなかったっけ?』と突っ込まれたりしまして。そんな中でやはり印象に残っているベンチャーキャピタルとのやり取りは非常にシビアなものでした。」

ベンチャーとして荒波にこぎ出した同社の代表である氏は、出資者のさまざまなベンチャーキャピタルと、経営に関しての交渉を重ねていかねばならなかった。

「あるベンチャーキャピタルは『どんな形でもいいので計画通り上場させるように』といわれたり、他社との合併話を持ちかけられたり、そのようなベンチャーキャピタルさんの提案を株主総会において議決する為の権利を私達経営陣を中心とした株主と争う、いわゆる『プロキシー・ファイト』もありました。私自身はそのようなやり取りは嫌いではなかったのですが、一時期は本当に心が折れそうな時期もありました。

ただ、そういった提案をしてくるベンチャーキャピタルをはじめとして、集まってくれる人は全員が会社を悪くしようとしているわけではないんですね。いろいろな人が集まってくると、それだけコントロールが大変ですが、皆がガイアックスという会社の最高のパフォーマンスを出そうとしていろいろとアイデアを絞ってくれているわけなのですね。」

そんな荒波を超えながら、同社は氏をはじめ一丸となって上場を目指すわけだが、氏は上場に関しては通常のビジネススキルとは異なるものだという。

「上場に至るまでのスキームやスキルは、通常のビジネスを伸ばしていくことは全く違います。専門的なスキルもそうですし、例えば『黒字でないと上場できない』という事実などもです。私達のようなインターネットベンチャーはソフトウェアしかり広告宣伝費なども含め資産計上できないんですね。

ということはキャッシュフローで黒字でないと上場できないということです。投資を控えて、毎年ほっといてもお金がたまる状況でないと上場できないし、つまりはお金を集めることができない。
これはおかしいですよね。私はそういった意味では個人的にはガバナンスがしっかりしていれば、適切な投資を行った結果、現在において赤字であっても上場できるように変えていくべきではないかと思います。」

自らが起業家として作り上げた会社を上場させる際に経験した不条理な部分に対して、ガバナンスやIRがしっかりしてさえすれば、投資の結果、赤字であっても上場をさせるべきだと唱える。実際、ガイアックス自身もガバナンス体制は非常にしっかりと考えられている。
次回は同社のガバナンスシステムに関してお話をお伺いしてみようと思う。

ガイアックス株式会社:URL http://www.gaiax.co.jp/jp/

(第3回に続く)
敬称略 取材・執筆 柳澤史樹

VN:F [1.8.7_1070]
この記事に評価をお願いします。
Rating: 0.0/10 (0 votes cast)
VN:F [1.8.7_1070]
Rating: 0 (from 0 votes)
 

Leave a Comment

You must be logged in to post a comment.

« 株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司氏 第1回「お好み焼屋で決まった起業」全4回 | Home | 株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司氏 第3回「社会公器というミッション」(全4回) »