株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司氏 最終回「徹底した情報共有による人材育成」(全4回)
ウェブサイトの機能として、ブログと並び定着、主流を成しているといっても過言ではないコミュニティ機能。特にウェブ上で人と「繋がる」という体験が、現在人のコミュニケーションにおいて与えた影響の大きさは計り知れない。
今回の次代の会 講演ブログは、ウェブコミュニティ開発大手で、名証セントレックスに上場している株式会社ガイアックス代表執行役社長 上田祐司氏にご登壇頂き、その起業からの軌跡を語って頂いた。

株式会社ガイアックス 代表執行役社長 上田祐司氏
最終回「徹底した情報共有による人財育成」
「会社は社会公器として必要とされるサービスをするものであるべきである」という経営哲学に基づいてガイアックスを率いてきた上田氏。それは社内体制にも如実に表れている。社外の人間を6~7割の割合で配置した「委員会設置会社」など、国内でもあまり類をみない仕組みづくりで同社をけん引してきているという。では会社にとって最も大きな財産である人材の育成に関してはどのようなスタンスで臨んでいるのだろうか。氏の人材・組織マネジメント手法を語ってもらった。
「弊社の平均年齢は26.9歳という結構若い組織ですが、採用にも力を入れてきました。
たとえば、募集をかけてたくさんの応募がくる中で、特別に優秀なメンバーを数人ピックアップして『社長二次セミナー』という形で集まってもらって、自己紹介もしてもらうのです。
そこでそれぞれがすごい経歴をもっているので、彼らはお互いに『これだけのメンバーが集まるこの会社は結構すごいぞ』となり、みなさんに入社を意思決定してもらっています。まさに起業時に心がけていた『何もないときは一気にいくしかない』という教えと近いですが、彼ら自身は優秀な同期として非常に満足しているので、結果的にはいい効果が出ていると思います。」
採用方法一つとっても、起業時の苦労を感じさせるが、そこには社会公器としての会社を大きくしたいと願う氏の情熱があってこそ実現できたものなのだろう。
では入社後の組織マネジメントはどのような手法をとっているのだろうか。
「先ほど述べたように優秀なメンバーが多いので、それなりに社内からの突き上げも多いわけで(笑)、私たちは現金残高含め、ほぼ完ぺきな情報共有をウィークリーで行っており、かつ現場の判断を非常に重要視しています。
具体的な言い方をすれば『稟議書が上がってきた時点で負け』だと思っているわけです。その稟議を認めづらい原因があり、その原因を事前に共有していない場合、そこで却下した場合には、社員の立場からすれば『先にその情報を言ってくれよ』という気持ちになるわけですから。」
社長でありながらもあくまでもチームとして個人の力を信用したマネジメント手法を採用しているあたり、またこれも従来の企業ではあまり例を見ないものだといえる。優秀なだけでなく、その個性を活かしながらモチベーションを高める手法は、情報共有だけではあるまい。もう少し突っ込んで聞いてみた。
「やはり社員一人一人のエネルギーを最も大事にしたいですね。私も含め当社の社員は皆かなり無茶なライフプランを持っています。例えば22歳で入社した人間が25歳では部下を数十人くらい持ちたいとか、35歳でリタイアしてその際には資産をいくらぐらいもってとか(笑)。それを年次に落とし込んでクォーターに、さらに月次に落とし込んでいくと、月々どれくらいの動きをしなければならないかはっきりするわけで、それをもとに面談をします。
会社としては皆のやりたいことをそこまで落とし込み、それの合計値に対してかなり割り引いて業績予想として発表しているわけで、そう考えると皆それぞれが自分の結果に対して自らが意識をもって取り組めばいいのだ、というように話をしています。
特に私達の業界のようにはっきりしたモデルがない場合は、あまり上から叩くマネジメントをするわけではなく、間違ってもいいがどんどんと加速させていくほうが重要だと思います。
とはいえ失敗した場合、全てのことにおいても上司がかばったりするのではなく、担当した人間が責任を感じることができるように意識を持ってもらうようにしています。全体会議においても個々の業績やそれに対する責任の所在などもはっきりとするようにしているのです。それを共有するからこそ、信頼をもって仕事を任せることもできると思います。」
情熱をもって人財を育て、信頼し、任せることによってガイアックスは荒波を乗り越え、現在に至っている。若い社員達が存分に暴れることができるステージを準備し、整えながら、社会人としての責任をしっかりと認識させることが人財が育つ秘訣のようだ。
最後にネット上でコミュニティ事業を仕掛ける氏自身のビジョンを改めて聞いてみた。なぜそのコミュニティという考え方に重きを置いているのか。
「私は単純に情報共有、コミュニケーションが好きなのです。弊社のビジョンとして『脳と脳を繋げる』というものがあり、第三者どうしの想いを繋げるインターネットの存在が最終的には社会全体の平和を導くことができると信じているからこそ、この事業に取り組んでいるといえるのです。」
氏の情熱と想いが、社員に伝わり、社員一人一人が意識をもって自らのビジョンを達成する為にインターネットというツールを介して拡げる活動をしていくなかで、最終的には社会全体が繋がる日にむけて同社は邁進し続けていくことであろう。同社のこれからを大きな期待をもって追いかけてみたい。
株式会社ガイアックス URL: http://www.gaiax.co.jp/jp/
(了)
敬称略 取材・執筆 柳澤史樹
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