SAMURAISHIP.com 代表 公認会計士出縄良人氏 第1回「激動の1stステージ ディー・ブレイン証券時代」 (全4回)

By fumiki.yanagisawa@jidainokai.jp • 7月 4th, 2011

今回開催された第33回の次代の会は、本年3月23日に開催予定だったが、大震災の影響により延期を余儀なくされた第31回のリベンジ・マッチとして、Samuraiship.com代表 出縄良人氏をお招きして行われた。

出縄氏は公認会計士として活躍し、元ディー・ブレイン証券を設立。代表として新規の株式公開制度「グリーンシート」の主幹事として圧倒的なシェアのもと、多くの中小企業の資金調達や株式公開支援やM&Aを実現させてきた。そして2010年10月に退任後、新規事業として外国企業向け情報ポータルサイトSAMURAISHIP.com を率い、国内企業とのマッチングに奔走している。
「日本企業の真のグローバル展開を支援する」という新しい目的で、この事業に挑戦した理由やその可能性、将来性について語ってもらうこととなった。

第1回「激動の1stステージ ディー・ブレイン証券」

「元々私が代表を務めていたディー・ブレイン証券はいうなれば『ベンチャー企業を支援するベンチャー企業』というスタンスで、中小企業の経営課題における資金調達の支援を行っていました。
日本は、大企業は都市銀、地方企業は地銀のほか、その他多くの金融機関が存在する間接金融制度としては他の国に例を見ない国です。しかしこのモデルは経済成長期には非常に有効に機能しますが、停滞期には全く機能しない。そこで会計士として企業コンサルをしていた立場として、『これからは企業も直接金融にシフトしなくてはならない』と感じ、インターネット上で企業向けの株式募集サイトをオープンしたのが最初だったのです。」

氏はまず自らが設立、代表を務めたディー・ブレイン証券起業の経緯を語り始めた。

「会計士の仲間も多くいましたが、それぞれが監査だったり財務だったりと得意分野があり、それを中小企業に提案し、しっかりと上場企業のように情報開示しながら直接投資を募りましょう!ということでそのような『場』をつくったのがきっかけでした。するとそれが日経新聞に『画期的だ!』と掲載され、話題になったのですね。そんなある日、大蔵省(現:金融庁)に呼び出しを受け、『こういうのをやるのに証券免許がいるんです』といわれ(笑)、97年にディー・ブレイン証券を友人5人ほどで設立。金融ビッグバンを機に日本で実に30年ぶりに生まれた証券会社として日経新聞のトップを飾ったり、その後ITバブルの時期も大きく注目されたりと話題性はあった会社でした。

その後私達がつくった仕組みを日本証券業協会が制度化して「グリーンシート」になり、金融庁も証券取引法(現:金融商品取引法)を改正して、かつての店頭市場のような体を成してきたのです。グリーンシートにおける所謂、株式公開の主幹事業務がディー・ブレイン証券の主な仕事でした。さらに、その後、各地の証券取引所が新興市場をつくったことから、ディー・ブレイン証券では、小規模企業が上場しやすい地方証券取引所の上場引受主幹事業務に進出。これも引受専業で審査や指導における専門性を高め販売はネット証券に委託するという画期的な方法で、福岡と札幌の新興市場において6割のシェアを占めるようになるまでになりました。」

氏が会計士としてコンサルに携わった経験から、ディー・ブレイン証券を設立、中小企業向けに資金調達するための株式公開制度「グリーンシート」の仕組みを構築し、その取次ぎを行う事業を開始した。それが時代のニーズと合致したことにより、氏率いる同社は金融市場の歴史においてその名を残すこととなった。
しかし、リーマンショックによる世界的な金融危機の大波を避けることは、いかに時代の寵児として画期的な仕組みを構築したその手腕をしても困難なものだった。

「2006年に日本全国で上場する会社は188社あったんです。去年は何社だと思いますか?なんと21社です。市場が10分の1に縮小してしまっては、さすがに何ともしようがないとは言うものの、クライアントに経営の指導をする立場にありながら、自分の会社はどうなっているのかと(笑)。
2010年3月期までの3年間は毎年1億以上の赤字を出していたような状況で、リストラを行っていきました。このときは本当にきつかったですね。
当時No.2の人間には『独立してくれ』と申し伝えましたが、彼は本当に素晴らしい男で『チャンスを与えてくれてありがとうございます』といって子会社の1社をMBOして独立し、今も頑張っています。今でも感謝に堪えません。

そんななか、最終的に私もその責任を取らなくてはならない、ということで昨年の10月に、親しくさせて頂いていた元バンダイ社長の山科氏にいろいろとご支援を頂き『みどり証券』へと社名を変更、新体制としてスタートするはこびとなり、私は代表を退任することになりました。
今も株主として名前を連ねさせてもらっていますが、私の人生の中で大きな1stステージを閉じたという次第です。

そこで次の生業と考えて満を持して昨年2010年12月に仮オープンしたのが海外向けビジネス情報ポータルSAMURAISHIP.com です。次回からは本題としてこの事業を始めた理由や経緯をお話しできればと思います。」

まさに日本における激動の金融市場において新たな制度を作り、多くの中小企業を上場させてきた氏が、リーマンショック後の海外企業に向け仕掛けはじめたビジネス「SAMURAISHIP.com」。次回からはいよいよその内容について、日本企業のグローバル化にむけた氏の考えを語って頂こう。

SAMURAISHIP.com  http://samuraiship.com/

(取材・執筆 柳澤 史樹)

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