SAMURAISHIP.com 代表 公認会計士出縄良人氏 第2回「SAMURAISHIP の生まれたきっかけ」 (全4回)

By fumiki.yanagisawa@jidainokai.jp • 7月 11th, 2011

公認会計士として活躍し、元ディー・ブレイン証券を設立。代表として新規の株式公開制度「グリーンシート」の主幹事として圧倒的なシェアのもと、多くの中小企業の資金調達や株式公開支援やM&Aを実現させてきた出縄良人氏。2010年10月に退任し、その1stステージの幕を下ろした。その後、新規事業として日本企業の海外向け情報発信ポータルサイトSAMURAISHIP.com を開設し、いよいよ世界に打って出ることを決意した。今回はその船出についてお話し頂こう。

第2回「SAMURAISHIP の生まれたきっかけ」
「今日私がお話しするのは『ジャパンブランドを活かすグローバル戦略』というテーマですが、まず『グローバル企業』とは何ぞや、というところからスタートしようと思います。例えばソニーは典型的なグローバル企業ですよね。「ソニーというのはどこの会社?」とイギリスで聞くと「イギリスの会社」と答える人が多く、アメリカで聞けば『アメリカの会社』と答える人が多い。

確かに『グローバル企業』と言うのは、このような状態を指す、ということかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか?日産の「マーチ」というブランドの車は日本とタイで生産されています。つまりmade in Thailand のマーチと、made in Japan、マーチがあるわけです。中国ではこの2種類のマーチが流通していて、何と値段が違んですね。当然made in Japan のほうが高い。そこで私はふと気がついたのです。『もはやブランドはマーチや日産にあるのではなく、“Japan”が ブランドになっている。』と。

先日、マレーシアに建設関連のベンチャー企業の提携支援の仕事で行きましたが、マレーシアの方とお話しをしていると、先方が私に対して「緊張している」んですね。これはベトナムやバングラデッシュの方とお話しした時も同様に感じたことでした。一方、私自身は欧米の方とお話しすると、何故か緊張してしまったりして悔しく思うのですが、この緊張と似ているように思うのです。これは日本人が西洋人に感じるある種の劣等感のようなものを、アジアの方々は日本人に感じている証拠です。ある種、『憧れ』のような感情に近いのではないでしょうか?

このような傾向はアジアの国々で顕著ですが、ヨーロッパでも日本に対する熱烈な思いはあります。

バルト三国にエストニアという国があります。我々はエストニアについては首都がどこかも知らないくらいに関心は薄いのですが、エストニアでは、日本語でエストニアを紹介する分厚いパンフレットがあり、日本にラブコールを送っているんです。エストニア語のパンフが日本にありますか?ないですよね。世界中の多くの国がこんな感じ。これってみんな日本に対する「片想い」で殆どモテモテですよね(笑)。

このように私達は意識していないところで、世界から評価されている素晴らしい国なんですね。

そこで私が考えているのは、ソニーのような日本という色が薄くなってしまった企業ではなく、もっと日本らしさ、日本に根差したグローバルカンパニーとして売り出すのが非常に重要なのではないか、と思うのです。」

俗にいう「グローバルカンパニー」の概念とは似て非なるもの、と氏は切り出した。もっと日本らしさを色濃く打ち出している企業こそがグローバルカンパニーであると唱える氏は、しかしそのような日本企業を取り巻く現実を語り始めた。

攘夷か開国か

「日本自体がブランドである、という価値に気がついていない企業が多いのが実態です。ご存知の通りインターネットは日本にいながら世界中の情報が見ることができます。しかし海外の人たちから日本のことを見えますか?と問うと、答えは『No』です。

インターネットでの共通語は英語ですが、なぜか日本企業のサイトには英語サイトがないケースが多い。比べて台湾、韓国。中国の企業は必ずと言っていいほど英語のサイトがあります。これはどういうことかを考えてみますと、その理由はシンプルで『お客様が外にいるから』ということに尽きます。

対して日本企業はこれまでお客様が日本国内にいて、外に目を向けていなくてもやってこれたということなのですね。さて、ではこれからはどうなるのか。このままでいいのか、ということを考えてみたいと思います。

そこで重要なポイントは『日本の人口は減少する』ということです。そしてそれは経済が縮小するということを意味します。ドラッガーもその著書の中で『市場動向において最も重要なのは人口の変化である』とまでいっているのです。

では人口が増えているのはどこか、つまり経済が成長しているのはどこでしょうか。いうまでもなくアジアですね。中国は一人っ子政策で今後は分かりませんが、インドは増え続けています。中国を抜いているかもしれない。

人口増加はいろいろな弊害をもたらしますが、少なくとも経済にとっては成長を意味します。そうなるとまず『成長するマーケットに出る』というのは経営の『王道』なんですね。

企業が営業戦略において売上を伸ばそうと思うと、売上拡大の方法は3つしかありません。1つは『お客様が成長する、またはお客様の成長を助ける』。2つ目は『お客様の中におけるシェア(インストアシェア)をあげる』3つ目は『新規のお客様を見つける』です。

このお客様を『マーケット』に置き換えると、分かりやすいかと思います。どうでしょうか。日本のマーケットはもう成長しませんし、しかもシェアを拡大するのは供給過剰による競争激化で難しい。そうなると新しいマーケットを目指す、これが最も現実的で可能性のある戦略だと思うのです。そこで改めて調べてみましたが、なんと韓国人で海外に出ている人の数は日本人の10倍なんですよ。知っていましたか?日本と韓国の人口比で言うと20倍です。

こんなふうに日本人は『出不精』なんですね(笑)。世界では日本の人気が高いにもかかわらず、日本人や日本企業はいない。インターネットを見ても日本企業は見えない。そこで情報だけでもしっかりとまずは世界に向けて発信していこうというのがSAMURAISHIPを立案したきっかけなのです。」

海外に出ることの重要性は長い間唱えられてきたにも関わらず、未だ我々は『鎖国』に近い状態にいると氏は語る。次回は日本企業のグローバル戦略の実態にさらに入り込んで語って頂き、これからのグローバル化にむけた氏のアドバイスを頂こうと思う。

SAMURAISHIP.com http://samuraiship.com/

(取材・執筆 柳澤 史樹)

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